「ヨーグルトは腸に良い」 これはもう常識のように言われていますが、具体的に「大腸がん」のリスクを減らすのか?と聞かれると、実は科学的な結論はまだ完全には出ていません。
このブログでは、ハーバード大学などの研究チームが発表した大規模な研究論文(米国人約13万人を長期間追跡!)から、「ヨーグルトが効くかもしれない特定の大腸がん」の存在が明らかになりました。
ただ、データをよく見ると「手放しで喜べるわけではない」という現実も見えてきます。詳しく解説します。

結論:全員のがんが減るわけではない
まず、一番重要な結論から言います。 13万人を調査した結果、「ヨーグルトを食べている人ほど、大腸がん全体のリスクが下がる」という明確な結果は出ませんでした。
「え、効果ないの?」と思った方、ちょっと待ってください。この研究の面白いところは、ここからです。 研究チームは、発生した大腸がんの組織を調べ、「腫瘍の中にビフィズス菌がいるかどうか」でグループ分けをしました。すると、驚きの違いが見えたのです。
「ビフィズス菌陽性」のがんには効果あり?
大腸がんの組織を調べると、約 3割の腫瘍からビフィズス菌が検出されました。 この「ビフィズス菌陽性タイプ」のがんに関しては、ヨーグルトの予防効果が見られたのです。
ビフィズス菌陽性の大腸がん(全体の約31%)
- ヨーグルトを週2回以上食べる人は、食べない人に比べてリスクが約20%低下。
- 特に近位結腸(小腸に近い側の大腸)のがんでは、さらに強い予防傾向が見られました。
ビフィズス菌陰性の大腸がん(全体の約69%)
- ヨーグルトを食べていても、リスクの低下は見られませんでした(むしろ誤差範囲ですが、わずかに高い数値すら出ています)。
つまり、「ヨーグルトは大腸がん全体の3割にあたる『特定のタイプ』に対してのみ、予防効果があるかもしれない」というのが、この研究の結論です。
正直、「割に合う」習慣なのか?
ここが悩みどころです。 大腸がん全体で見れば、この「3割のタイプ」のリスクを「20%下げる」だけなので、この研究結果からは全体的なリスク低減効果はかなり限定的と言わざるを得ません。「がん予防のためだけに、嫌いなヨーグルトを無理して毎日食べる」というのは、コストパフォーマンス(努力対効果)があまり良くないかもしれません。
それでもヨーグルトを食べるメリット
とはいえ、この研究結果を受けて「ヨーグルトは無意味」と切り捨てるのは早計です。
- 近位結腸がんへの期待 近位結腸は、細菌叢の影響を受けやすい場所です。この部位のがんに対して、特定条件下とはいえリスク減の傾向が出たのは希望が持てます。
- 腸内バリアの強化 腫瘍内に菌がいるということは、腸の壁(バリア)が壊れて菌が侵入している可能性があります。ヨーグルトはこのバリア機能を助ける働きがあるため、理にかなっています。
- がん以外の健康効果 今回のテーマは「がん」でしたが、ヨーグルトにはカルシウム補給や、他の生活習慣病(糖尿病など)のリスク低下など、別のメリットも報告されています。
まとめ:過度な期待はせず、美味しく続けよう
今回の研究のポイントまとめ:
- ヨーグルトで大腸がん「全体」のリスクが激減するわけではない。
- ただし、「ビフィズス菌陽性」という特定のタイプ(全体の約3割)に対しては、リスクを下げる可能性がある。
- 特に、腸の入り口付近(近位結腸)に良い影響があるかも。
【個人的な結論】 「ヨーグルトさえ食べていれば大腸がんは安心!」という魔法の食べ物ではありませんでした。 ですが、タンパク質やカルシウム源としての優秀さを考えれば、「美味しいから食べる。ついでに一部のがんリスクも下がったらラッキー」くらいのスタンスで、週2回以上を目安に取り入れるのが、精神的にも健康的にも一番良さそうです。
ヨーグルトに関しては色々な体に対する効果が検討されておりますので引き続き調査報告させていただきます!
紹介研究:Long-term yogurt intake and colorectal cancer incidence subclassified by Bifidobacterium abundance in tumor. S Ugai著
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