「健康のために1日1万歩」とよく言われますが、認知症予防という観点では、具体的に「何歩」歩けばいいのか、そして「どう歩けば」いいのか、ご存知ですか?
今回は、7万8千人以上のデータを分析した大規模な研究結果から、脳を守るための「最強のウォーキング術」をご紹介します。
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結論:目指すべきは「9,800歩」と「行進曲」
2022年に発表された英国バイオバンクの研究によると、認知症リスクを最も下げるためのポイントは以下の2点でした。
- 最適な歩数:1日約9,800歩
- 最適な速さ:1分間に112歩
「ただ漫然と歩く」のではなく、「キビキビと歩く」ことが、将来の脳の健康を守る鍵になりそうです。
1. 歩数:3,800歩から効果あり!
この研究の素晴らしいところは、「1万歩も歩けないよ…」という人にも希望があるデータが出ていることです。
- 9,826歩/日: ここがベスト。認知症リスクが約51%低下しました。
- 3,826歩/日: ここが最小ライン。これだけでもリスクは約25%低下します。
つまり、まずは「1日4,000歩」を目指し、慣れてきたら「1万歩弱」を目標にするのが良さそうです。
2. 重要!「ダラダラ歩き」より「キビキビ歩き」
さらに衝撃的だったのは、「歩く速さ(強度)」の影響力です。
研究では、1日のうち「最も速く歩いた30分間(ピーク30分)」の歩数が、1分間あたり112歩のペースだった人たちで、認知症リスクが62%も低下していました。
これは、単に歩数を稼ぐよりも高い予防効果です。1日中速く歩く必要はありません。「通勤や買い物の行き帰りなど、合計30分くらいは急ぎ足にする」だけで十分効果が期待できます。
3. 「1分間112歩」ってどれくらいの速さ?
「1分間に112歩」と言われてもピンときませんよね。具体的な目安は以下の通りです。
- 時速にすると: 約5.4km/h。不動産屋さんの「徒歩○分」よりも速いペースです。
- 感覚的には: 「会話はできるけど、歌を歌うのは苦しい」レベル。
- 行進曲(マーチ)のリズム:運動会で流れるようなマーチは一般的に110〜120テンポのものが多いです。あの「ワン・ツー、ワン・ツー」という足踏みのリズムが、まさに理想的な速さです。
ちょっと裏話:このデータ、本当に信用できるの?
「歩く人が健康なんじゃなくて、健康な人が歩けるだけじゃない?」 そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。
この研究では、その点を「統計的な調整」という手法で徹底的にクリアにしています。
- 年齢や性別
- 喫煙・飲酒の有無
- 野菜や果物の摂取量
- 睡眠時間
これらすべての条件を計算上で「公平(イーブン)」にした上でも、「やっぱり歩数と速さが重要だ」という結果が出ているのです。いわば、ハンデなしのガチンコ勝負で証明された効果と言えます。
ちなみに、よく歩く健康的な人たちは、睡眠時間は約7時間、野菜・果物は1日8皿分程度とっているという傾向も見えました。
まとめ:今日からできるアクション
認知症予防のウォーキング、明日からの目標はこの3つです。
- まずは「1日3,800歩」以上を目指して外に出る。
- 最終目標は「1日9,800歩」。
- 1日30分だけ、アップテンポで「早歩き」を混ぜる。
特別な器具は要りません。いつもの散歩を少しだけ「アップテンポ」に変えてみませんか?
紹介研究:Association of Daily Step Count and Intensity With Incident Dementia in 78,430 Adults Living in the UK. BDP Cruz著
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